自家用電気工作物とは
電気事業法は電気工作物を「一般用」と「事業用」に分けています。事業用のうち電気事業(送配電など)に使うものを除いた設備が、自家用電気工作物です。
一般用電気工作物は、低圧(600V 以下)で受電する設備などに限られます。そのため、高圧で受電するキュービクル式の受電設備は一般用にならず、自家用電気工作物として扱われます。
出典: 電気事業法(e-Gov 法令検索) / 電気事業法施行規則(e-Gov 法令検索)設置者の義務
- 技術基準に適合させて維持する: 外部委託をしても、この義務は設置者に残ります。
- 保安規程を作って届け出る: 使用開始前に、巡視・点検・検査、運転・操作、記録、災害時の措置などを定めた保安規程を国へ届け出ます。変更したときも届け出ます。
- 電気主任技術者を選任する: 保安の監督をさせるため、免状を持つ人を主任技術者に選任し、届け出ます。
外部委託承認制度
一定の自家用電気工作物について、要件を満たす法人(電気保安法人)または個人(電気管理技術者)と保安管理業務の委託契約を結び、保安上支障がないとして国の承認を受ければ、電気主任技術者を選任しなくてよい制度です。根拠は電気事業法施行規則第 52 条第 2 項です。
承認するのは、原則として事業場の所在地を管轄する産業保安監督部長です。事業場が複数の監督部の管轄にまたがる場合は経済産業大臣になります。
出典: 電気事業法施行規則(e-Gov 法令検索) / 関東東北産業保安監督部「保安管理業務外部委託承認制度」ほかの選任方法との違い
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 自社選任 | 設置者または役員・従業員から選任する原則の方法。従業員は正社員に限らず、直接雇用で選任場所に常時勤務する人でもよい。 |
| 外部選任 | 派遣労働者や、保安管理業務の受託者の役員・従業員で、その事業場に常時勤務する人を選任する方法。 |
| 外部委託 | 電気保安法人や電気管理技術者に保安管理業務を委託し、承認を受けて選任を不要にする方法。常駐はせず、定期的な点検で保安を確保する。 |
| 兼任 | 1 人の主任技術者が複数の事業場を兼ねる方法。原則は禁止で、国の承認を受けた場合に限られる。 |
| 許可選任 | 免状のない人を国の許可を受けて選任する方法。最大電力 500kW 未満の需要設備など小規模な設備に限られる。 |
国の Q&A は、外部選任と外部委託は「言葉が似ているが別の制度」としています。外部選任された人から、さらに外部委託することはできません。
出典: 経済産業省「主任技術者制度に関する Q&A」 / 経済産業省「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」小規模事業用電気工作物
2023 年 3 月から、低圧の小規模な発電設備のうち一般用の出力を超えるもの(太陽光 10kW 以上 50kW 未満、風力 20kW 未満)は「小規模事業用電気工作物」になりました。保安規程の届出と主任技術者の選任の対象からは外れていますが、技術基準への適合の維持と、使用開始前の届出が必要です。
出典: 電気事業法(e-Gov 法令検索) / 電気事業法施行規則(e-Gov 法令検索)このページについて経済産業省・産業保安監督部などの公表資料をもとに要点を整理したものです。個別の設備が外部委託の対象になるか、手続きに何が必要かは、管轄の産業保安監督部の判断によります。申請の前に必ず原文と監督部の案内を確認してください。