委託先の 2 つの種類
委託先は、個人の「電気管理技術者」と、法人の「電気保安法人」の 2 つです。個人は電気主任技術者免状を持つこと、法人は保安業務に従事する人がその資格・実務経験を満たすことなどが要件です。
個人の電気管理技術者でつくる協会・組合などの団体は、電気保安法人でない限り、委託契約の相手方になれません。契約の相手は、個人本人か電気保安法人です。
出典: 電気事業法施行規則(e-Gov 法令検索) / 関東東北産業保安監督部「電気保安法人一覧」免状と実務経験
| 免状 | 必要な実務経験(基本) | 短縮 |
|---|---|---|
| 第 1 種電気主任技術者 | 3 年以上 | 訓練の修了で 2 年 |
| 第 2 種電気主任技術者 | 4 年以上 | 講習の修了で 3 年、講習と訓練の修了で 2 年 |
| 第 3 種電気主任技術者 | 5 年以上 | 講習の修了で 3 年、講習と訓練の修了で 2 年 |
実務経験は事業用電気工作物の保安に携わった期間で数え、免状の交付前の期間は 2 分の 1 で計算します。一般用・小規模事業用電気工作物の経験は含められません。設備容量 300kVA 以下で、キュービクル式かつ主遮断装置が限流ヒューズと負荷開閉器の組合せ(PF・S 形)の需要設備だけを担当する場合は、さらに 1 年短くできます。
出典: 経済産業省 告示(保安管理業務の外部委託の要件・点検頻度 等) / 経済産業省「主任技術者制度に関する Q&A」事業場までの到達時間
施行規則は、委託先の主な連絡場所から事業場へ「遅滞なく到達し得る」ことを求め、内規はこれを 2 時間以内としています。各監督部の電気保安法人一覧にも、業務エリア内でも到達時間などの条件で委託できない場合があると注記されています。
出典: 経済産業省「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」 / 関東東北産業保安監督部「電気保安法人一覧」受託できる量の上限
1 人が受け持てる事業場の量には上限があります。事業場ごとに設備の種類・容量に応じた換算係数を足し合わせ、個人は合計、法人は保安業務担当者 1 人ごとの合計が 33 未満でなければなりません。
- 低圧の需要設備は 0.3、高圧の需要設備は設備容量に応じて 0.4〜3.0、発電所は出力に応じて 0.3〜1.8 など
- 64kVA 未満の小規模な高圧需要設備は 0.2 で、合計から 10 件以内を除ける
- 点検を隔月にできる条件を満たす設備などは、係数に 0.25〜0.6 などの率を掛けて軽くなる
備える機械器具
絶縁抵抗計、電流計、電圧計、低圧・高圧の検電器、接地抵抗計、騒音計、振動計、回転計、継電器試験装置、絶縁耐力試験装置を備えます。需要設備と太陽光だけを受託する場合は、騒音計・振動計・回転計を除けます。継電器試験装置と絶縁耐力試験装置は、使える措置があれば足ります。
出典: 経済産業省 告示(保安管理業務の外部委託の要件・点検頻度 等)電気保安法人の体制
電気保安法人は、保安業務に従事する人が役員または従業員であること、担当者が保安以外の職務を兼ねないこと、点検を原則として担当者自ら行うことなどを社内規程で定める必要があります。
出典: 経済産業省「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」このページについて経済産業省・産業保安監督部などの公表資料をもとに要点を整理したものです。個別の設備が外部委託の対象になるか、手続きに何が必要かは、管轄の産業保安監督部の判断によります。申請の前に必ず原文と監督部の案内を確認してください。